食物経口負荷試験
食物経口負荷試験(しょくもつけいこうふかしけん)は、なぜ必要なのでしょうか?
食物経口負荷試験は、食物アレルギーがあるかどうかを診断する場合、すでに食物アレルギーがあると診断されているけれどもどのくらいの量まで食べることができるのかを調べる場合、そして、食物アレルギーが治ったことを確認するために実施する検査です。
①食物アレルギーがあるかどうかを診断する場合
卵や牛乳を食べたり飲んだり、あるいは触ったときに皮膚が赤くなったり、かゆくなるなどなんらかの症状が出た場合に、これがアレルギー反応で起こっているかを確認する必要があります。血液検査で、血液の中にある卵白、牛乳特異的IgE抗体を測定してある程度は、診断ができることがありますが、本当に関連性があったのか、どのくらいを食べることができるのかがはっきりできないことが多くあります。成長期にあるお子さんで主要な食品を除去するかどうかの判断は慎重に行う必要があります。この検査をすることで食物と症状の関係をより明らかにすることができます。
②食物アレルギーがあるけれども、どのくらい食べると症状が出るのかを確認する場合
以前は、食物アレルギーがある場合は、その原因食品の完全除去が指導されていました。しかし、これからの考え方は、摂取しても安全な量までは、食べながら治療するようになってきました。この安全な量をきめるのが、食物経口負荷試験のもう一つの目的です。例えば、牛乳アレルギーであっても、200mLを飲むとじんましんがでてしまうけど、50mL程度は飲めることがよくあります。この安全な量を知ることができます。保育所、学校給食では、完全除去での対応となりますが、自宅では安全な量までは飲みながら、食べながら治療をすすめることができます。
③食物アレルギーが治ったことを確認する場合
食べても症状がでない量を摂取してきて、自宅での食生活ではあまり不便でなくなっても、保育所、学校給食での食物除去を解除するためには、給食で提供される量を何度か確認したり、時には、食物負荷に運動を負荷して確認することも必要です。学校給食での除去解除であれば加熱鶏卵1個、牛乳200mL以上、うどん1食などの食物経口負荷試験をおこないます。
食物経口負荷試験の方法
食物経口負荷試験は、多くの施設で、さまざま方法で実施されていますが、この検査では、当該食物を食べて、じんましん、かゆみ、腹痛、咳などの症状が出ることがあります。当クリニックでは外来診療で十分な観察時間をとって安全に行いたいと考えていますので、2~3時間程度で実施しています。
食物アレルギーの診察のときに、予約をとっていただき実施します。